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いろんな世界をのぞきたい!
佐野眞一「人を覗にいく向井万起男 「君について行こう」 和田誠「仕事場対談」

佐野眞一「人を覗にいく」

ぽん*管理人 「人を覗に行く」
佐野さんの本をはじめて読んだのは「東電OL殺人事件」。その物怖じしない取材姿勢にびっくりしたものでした。この本でもいろいろな人にあって遠慮なしにその人のことをスケッチしているのですが、取材した相手だからと変に情に流されたりはしていないけれど、守らなければならない点はちゃんと守り、相手の人間像をあまり偏ることなく伝えるその描写力に感心しました。芸術方面の人、実業家、政治家と広範にカバーされていて、もちろん自分の関心のある北杜夫とか芸術畑の人のところを読んでいる時が一番楽しいのですが、あまり縁のない世界の人のことも興味深く読めました。★★★★★(2002 5/21 読者書店)

windさん
お薦めのあった、佐野眞一著の「人を覗にいく」を、読みました。
主に「AERA」連載の「現代の肖像」から集まっていて、
22人の人物について語られています。
政治、経済、文化、芸術畑の、いずれ劣らぬ傑物が取り上げられていて
旧知の方はもちろん
中には、名前すら知らない方が居られましたが
いづれも、読み進むうちに、
いや、最初の数行で、グイグイ引き込まれていきました。

ぽんさんも、お薦めに書かれていたけれど
佐野さんの、人物描写力のすごさに、あらためて感嘆しました。
いまの活躍を紹介するとともに、
一番の興味である、その、エネルギーのよってきたるべき根源
に、
見事に、肉薄し、描かれていると思うのです。
それが、彼の手にかかると、決して誇張とは思われないし
それぞれの、一つ間違えば、信じがたいドラマティックな人生を
自然に、受け止められ、共感さえしてしまえるのは、
ひとえに、視点の揺らぎのなさと、暖かさだと思います。

て、わかりにくい感想でしたが、ほんとに面白かった!
一部電車で読んだのですが、
噴出しそうなところが何ヶ所もあったり、
ふいに涙がこぼれそうなところがあったりで、
とても、電車向きではありませんでした(!)
でも、読み始めたら、やめられない。。。。

いちいち書き写せなくて残念ですが
「あとがき」が、また、読ませてくれます。

取り上げられた人々は、あまりにすごくて
自分の実人生には、何の参考にもなりませんが(!)
それでも、生きる勇気を、少しもらえたような気がします。(2002 5/16)
ぽん*管理人 うんうん 佐野さんってすごいね!
なんと大胆 なんという洞察力!
わたしね、はじめ 読者書店を出してるes-bookの
検索で全然あの本がヒットしないもので
「あ これは母体であるセブン イレブンの社長さんの
ことも肉薄しすぎるくらい肉薄して書いているせいか?」とか
邪推してしまったの。
そしたら単純に 佐野眞一って旧字体(これが正しい)で
なく真一と新字体で入力されているだけだったみたいなのですが。。
(のっけからしょうもない話でごめん。。でも
そういう邪推をしてしまう程 思い切った文章だと
いいたかった!)

北杜夫さんとか あの本を読んでますます好きになったし
シュールレアリズム系?の画家の古沢岩美さんとかもとっても
気になった!で、検索してみたら 鳥栖の美術館サイトで
あの方の絵を展示していて いろいろみられたよ!

windさんの感想をみて、そうか佐野さん 鋭いなぁとばかり
思っていたけど たしかに書いてらっしゃる根本精神というか
視点をおく位置にとても温かいものがあって そこが
いいんだなぁ。。と認識いたしました!

あの、ものすごい実録もの?映画ばかりとって
ゲリラ的に上映している渡辺文樹さんの話のところでも
奥さんのことを書いてらっしゃるのがすごいよかったなぁ。。
「こんな映画。。もっときれいなものを撮ればいいのに。。
でも仕方ありません。。ついていきます。。」みたいな話。

少し 映画「ゆきゆきて神軍」に出てくる奥崎氏の奥さんのことも
思い出したよ。(奥崎氏の奥さん ご主人について
どう思ってらっしゃったかは知らないけど黙々と
つき従っておられる感じで それが心にとまりました。)

本当に濃い人も多くてすごいのだけど、よく向き合って
書いてこられたよね。。佐野さんの本 もっといろいろ
よみたくなってます。。

「あとがき」にあった 政治の世界の人や実業界の人より
芸術畑の人の方が、時間を超えている。。。という
はなしもそのとおりだなぁと思ったね。  (2002 5/16)

windさん
>本当に濃い人も多くてすごいのだけど、よく向き合って
>書いてこられたよね。。佐野さんの本 もっといろいろ
>よみたくなってます。。
そうですよね。
きっと、普通の人だと、挨拶を交わすだけで、
そのオーラに圧倒されるような人ばかりにあってられると思うのですが
佐野さん、負けてませんよね。
一歩も、ひけを取っていないという感じがします。
変に、ヨイショもしてられないし、批判めいた事もまずいわれていない
それだからこそ、伝わってくるのでしょうか、
対象となる人の、人となりが。。。

私、いずれも、書かれてから、数年たっているので
今どうなんだろう、と知りたい気持ちもあったのですが
ご本人も「あとがき」で
当時の時代の空気を感じてほしかったので、
あらたな筆を加えなかったと、書いていられるように
それでよかったのだなと思います。
でも、いつか、新たな、その後のレポを、読みたいですね。 (2002 5/16)
ぽん*管理人 佐野さんの本 ちくま文庫からいろいろ出てるみたいなので
他のも読んでみようって気になってます。


わたし 人物ルポって分野昔からすごい
好きなんだけど、猪瀬直樹さんの書いた「日本凡人伝 二度目の仕事」とかもよかったよ。
泉麻人氏の「けっこう凄い人」もおもしろかった。 (2002 5/17)

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「君について行こう」


ゆっけさん
「君について行こう」
宇宙飛行士向井千秋さんのご主人「万起男ちゃん」の著書のタイトルです。。
4〜5年前に読んだので細部の記憶はおぼろ、、ですが、向井千秋さんとの出会いからスペースシャトルでの飛行まで、愛妻「チアキちゃん」のことが何で?っていうくらい詳しく楽しく書かれています。

NASAでは宇宙飛行士の「家族」の筆頭は両親ではなく「配偶者」であったり、家族の留守に家にドロボーが入らないよう定期的に見回る職員までいる、、とか。。へえ〜というようなこともたくさんあります。

今回スペースシャトルの悲しい事故で、この本を思い出しました。(講談社+?文庫のを持っています)。

乗組員ひとりひとりに代役、、というか急に乗り組めなくなったときのために数年前からペアを組んで同じ訓練をするひともいて、それに選ばれてしまうと、すでに決まっているその次の打ち上げのクルーにはもう絶対選ばれない。。という残酷なような話もあって、、、。

本は楽しいのに、、この悲しい現実、、ですが。(2003 2/9)
ぽん*管理人 ゆっけさん 本の紹介ありがとうございます!
わたし 自分の知らない業界(知ってる業界って
ほとんどないのでは。。)とか仕事とかの話とか読むの大好きなんです。


「君に。。」も入り込みやすいタイトルをもちながら
しっかりした内容のものみたいですね!
代役のはなしも、映画「スペースカウボーイ」を
ちょっと思い出しました。これ、いい感じでしたよ。
で、今ゆっけさんの書き込みを読んで 映画だけの
おはなしじゃなかったんだ。。って感じをもちました。

本 さがしてみますね!
講談社+?文庫ってなかなかいい本だしてる印象があります。。(2003 2/10)

ゆっけさん
さっき本棚から下巻をさがしてきましたが、、上680えん下740えん、、と文庫ながら結構高いかな。
でもモトは取ってるかも。
いつなんどき、どこから読んでも楽しい本なんです。

お二人の交際中、か婚約中、、にチャレンジャーの事故が起き、その時のことも詳しく書かれています。(口にチャックしないと全部話してしまいそう、、、)

そして、、私、先日はじめて童話「星の王子さま」(サンテグジュペリ)、を読んだのですよ。
このお話って何年かに一度必ずっていうくらいブームになってる気がしますが、いわゆるお姫様モノっていうか、「いつか白馬に乗った王子様が迎えに来る」系の話か、、と思い、読みそびれていました。

全く予備知識を持たず読んだこのお話はすごくかわいくて素晴らしかったです。
飛行士であったサンテグジュペリが空から地球を見つめながら考えた(であろう)ストーリーに、宇宙飛行士の方達にも通じるロマン、のようなものを感じ、この時期にこの本と出会ってしまった縁、、のようなものまで感じてしまいました。(照れ照れ)(2003 2/10)
ぽん*管理人 いつなんどき どこから読んでも楽しい本。。いいですねー!

わたしにとっては三谷幸喜さんの本と小林聡美さんの本も
それぞれに同じ状況がちがう書き方してあったりしておもしろいカップルの本です。

「星の王子様」読んだのかなり昔なんです。
タイトルから想像するような アマちゃんな感じでなく
飄々としたはなしですよね〜!
イラストもいいですよね〜。わたしひつじの絵をかいて。。って
いわれた時のエピソード30年以上も印象に残っています。
(つまり小学生時代に読んだのでした!)

windさん
万起男さんといえば、
たしか女性月刊誌だったと思うのですが、
の人生相談コーナーの回答者の一人になってられて
添えられていたあの、特徴のある万起男ちゃんフェイスのイラストが可愛かったです。
回答はといえば、
バッサ、バッサと、本質を突く快刀乱麻ぶりで
すごく小気味よくて、でも、底に温かさを感じるので
少しも嫌な気はしなくて、お人柄に少し触れられた気がしました。

向井千秋さん、記者会見やインタビューで拝見する姿は
私には、この世のものとは思えないカッコよさで憧れていました。
(だって、いつか宇宙から地球を見てみたい!と真剣に長い間思っていたんだもん。
でも、今では、遊園地の、小さいお子様向けコースターにも、乗れませんが。。。)

そして、万起男さんが「君について行こう」なんて
太っ腹で、ユーモアあふれるタイトルを冠せられる方と知り
またまた、感激してたりしました。。。
でも、ご本は、読んでいませんでした。

今回の事故は、いやでも、宇宙開発は、人類がその意志でやっている事なんだ
と、あらためて思ってしまいました。。。
でも、ゆっけさんのおかげで、
忘れそうになっていた未知の世界への思いのようなものも思い出せてよかった。

サン・テグジュペリといえば、「夜間飛行」も読んだと思うのですが
すっかり忘れている。。。いい本だったはずなんですが。(って、説得力ないですが)(2003 2/11)
ぽん*管理人 向井万起男さんの文章って読んだことなかったのですが
ほんとによさそうですね。
わたし人生相談のコーナーって大好きなんですよ。
やっぱりできるだけばっさり、でもあったかく!が理想ですね!
ちくま文庫にはいってる
橋本治さんの「青空人生相談所」とか大昔に読んだのですが
この前読み返したらやっぱりおもしろかった。ちょっと
理屈っぽいところもあるけど。。
あと読者書店に並べている
松浦理英子さんという方の「おぼれる人生相談」
とっても丁寧で大好きでした。(松浦さんの
小説ってなんかついていけるのか?って感じで
未読なのだけど人生相談はほんとよかったですよ!)
また いい感じの人生相談本あったら教えてね!

サン テクジュペリ 調べたら何冊か
他にも日本で読めるんですね。いろんなのがあるようで。。

windさんの幼き日の夢 全然しらんかったなぁ。。(2003 2/11)

windさん
幼き日の夢、つーか、(その頃は宇宙のことなんて考えてなかったと思うのですが。。)
わりと、大人になってから、
外から、地球を見れるといいな〜〜と思っていたのです。

松浦理英子さんて、全然知りませんでした。
私はぽんさんとは逆で、人生相談、あまり興味をもてなかったのですが
素敵な方が、ちゃんと(その人らしくという意味です)答えてられるのを読むと
なんだか、面白くていいなあ、と、少し思えてきています。
「おぼれる人生相談」って、わー、なんか、いいタイトルですね。(2003 2/1
1)

ゆっけさん
ぽんさんとwindさんのたのしいコメント嬉しいです。
万起男さんが人生相談、、なんか想像できちゃいます。。
やはり、どんな回答か、、ていうより、誰が回答しているか、、というのが重要な気がします。今、そんな気がしたんだけど。(いーかげん!?)

あ、ぽんさん、小林聡美さんの「東京100発ガール」は読みました。なんつータイトル!
この人は何と言っても映画「転校生」ですかねえ。古!(2003 2/11)
ぽん*管理人 人生相談、昔週刊文春に棋士の人のが載っているときも
どれを捨ててどれをいかすか
さすが決断することに慣れておられるなぁ。。と
おもしろいものがありました。。。
まぁだからっていって自分のこととなると
必ずしも 正しい判断ができる。。ってこともないでしょうが
迷っている人へのアドバイスはなかなかすかっとしました。


ゆっけさん
小林さんたくさん本かいておられますね〜!
結構文庫にもなっていて読もうかな〜と思うのだけど
読んだのは「マダムだもの」だけなんです。
主婦としての話もおもしろかったんで、
もうひとつ結婚されてからのを読もうかな〜って
思ってます。(たしかマダム小林のなんとか。。っていう。。)(2003 2/12)

ゆっけさん
ぽんさんの書かれた棋士の方って米長邦男(字があやふや)さんかな?
ずっと前この人の「運を育てる」ていう著書読みましたが、すかっとしますよ。これも。サンマーク出版。図書館で借りましたわあ。

たとえば、貧乏学生の頃は列車での移動のとき、列車の中で落ちているキップを捜していわゆる「キセル」してお金を浮かせたもんだけど、いつからか真剣勝負の将棋をするようになってから、、かな、、そういうことは一切やめた。
誰が見ていなくても「勝利の女神」が見ていてくれるから。
不正なことをしないのはもちろん、困っている人を助ける、とか生活全般!?いつも勝利の女神を意識して行動する、、とかいうまったく一般庶民にもひじょーにわかりやすい話のオンパレードでしたね。

そのころめきめきと頭角を現しはじめた羽生さんがなんで強いか、、ということもこの本を読んでなんか理解できた気がしました。(2003 2/12)
ぽん*管理人 そうそう人生相談のこたえが気持ちよかったのは米長さんです!

話がどんどん広がっていきましたが、「君について行こう」、
この後読んだらすごく楽しくて落ち着く本でした。向井さんご夫婦は
超人的だから 自分の感じるくよくよなんかとは
無縁だと思いきや 細かい人生の機微についても
かかれてるし、でも やっていこう!って感じで
元気のでる本です。

その後みた映画「アポロ13」でも、「君について行こう」に描写してあったなぁ。。と
思うことがたくさんあって。。宇宙飛行士のことも興味持てるようになる本だし、記録としても立派な本だったと思っています。

上のスレッドにでてきた「おぼれる人生相談」のゆっけさんの感想もここに載せておきます。

ゆっけさん
やっと読みましたよ!って何でしょう?意外な本かも。。
「おぼれる人生相談」です。ぽんさんが読者書店で紹介されている本ですが、興味はありつつ、一体どんな相談に答えているものか?この方の小説など一切読んだことがないので少々不安でしたが。。なにしろ「おぼれる」って一体??
図書館でリクエストして、他の図書館からの「相互貸借」制度でありがたく借りました。
せっかく相互貸借までしてもらって読めるかな?との不安をよそにささーっと読めました。大変ためになりました。
ほんとにぽんさんの感想と同じく、、自分のことにあてはめてうなずくこともあれば、こんなことで悩む人もあるのか、、と思うこともあり。でも松浦さんはどんな相談にも冷静にまごごろこめて(というか、親身になって)答えていらっしゃいますね。。安心して読んでいられました。。(2003 5/6)


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